海外の結婚式
ワーキングホリデーでシドニーに向かう飛行機の中、たまたま隣り合わせた主人と、思い出の地シドニーで挙式しました。気楽な一人旅のワーキングホリデーと違い、今回は主人と私家族、総勢10名での団体旅行。しかも私の父は人付き合いが苦手な職人タイプで、主人の家族と仲良くできるのかも不安でしたし、初めての海外旅行なのでちゃんと楽しんでくれるのかも心配でした。
結婚式では私たち夫婦だけではなく、父も牧師様の英語の質問に答える台詞があったので、父は繰り返し私に確認し、練習していました。いつもは頑固な父が私のために一生懸命練習してくれている姿に胸が詰まるようでした。
いよいよ結婚式が始まって、父と腕を組み歩き始めました。父の膝を陣取って甘えた幼い頃の事、何だか恥ずかしくて父の助手席に座らなくなった思春期の頃の事など、歩いていくうちに次々と昔の思い出が蘇ってきて、ついに涙があふれてきました。父はただまっすぐ前を向いて、私を主人の元へとリードしてくれました。
挙式が終わって教会の庭に出ると、みんながフラワーシャワーで迎えてくれました。父も少しだけ目を赤くして笑顔で迎えてくれました。
その日の夜はみんなでディナークルーズに出かけました。父は主人のおじいちゃんとお父さんと娘について語りながら、3人で泣いたり笑ったりしていました。主人のお母さんと母と私はその様子を見て笑っていました。ジャズライブが始まると父はこの日一番の笑顔で姉の娘とダンスをしていました。みんなの笑顔とはしゃぐ声に溢れた夜でした。
ディナークルーズの帰り、父は歩きながら「またみんなで来たいな」と母に話していました。面倒くさがりで、人付き合いが得意でない父には本当に珍しいことでした。
父はこの結婚式から1年半後に亡くなってしまいましたが、今でもあの日の父の笑顔が昨日のことのように蘇ります。この結婚式でシドニーは私達夫婦だけではなく、家族みんなの思い出の地になりました。